マーガレット・サッチャーの映画を観た
アリオのムービックス川口でこの映画を観てきた。メリル・ストリープがオスカーを受賞した事も含め題材に対する描き方やこれまで知られていなかった実話等、興味を持っていたので、公開されたら映画館に足を運んで大スクリーンで観ようと以前から決めていた。
歴史にその名を残す偉大な政治家も、現役から離れ加齢という自然のプロセスの前にあっては成す術を失い、更に認知症と言う新たな自己に折り合いを付けながら日々を送る孤独な女の物語である。
映画の中で、過去と現在を行き来する手法が取られていて最初はあれ?と思ったが、編集が上手いので違和感なくだれずに観る事が出来た。
首相にまで上りつめたのだから当然だが、女性でありながら家庭を顧みず仕事に邁進する姿や必要に迫られて様々な犠牲を払い、努力を重ねて道を切り開いてきたことに只々感服する。
一方で政治に身を置く者は、家族の支えなくしては何事も成し得ない。夫や子供が人一倍淋しい思いをしていた事には同情する。(我が身に置き換え…。)
そしてやはり、メリル・ストリープの演技は凄かった。
沸立つ様なエネルギーと繊細さを自在に操って活躍している首相現役時代と調度品に手をやりながら立ち上がり腰を引きかげんで歩く現在の姿を演じ分けながら、内面的な強さと弱さを体現し貫禄の存在感で画面を独占していた。
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