ボレロ
指揮者西本智実さんが、海外でのある演奏会の指揮後、
「本日演奏したラヴェルのボレロは、小さい音から始まり各パートが除々に重なって一大合奏となります。大災害を受けて小さな助け合いが大きなものに成長するよう祈りましょう」
と挨拶し感銘を呼んだそうである。
ボレロと言えば、私にとってはジョルジュ・ドン。
ベジャール振付のボレロは、こうした音楽性を秀逸に再現した
バレエである。その昔、生前ジョルジュ・ドンが来日した折り、NHKホールでこの作品を観た事を思い出す。
作品は、小さな手の動きから始まり、静かで単純なムーブメントの繰り返しが続く、やがて眠っていた回りの人達が俄かに動きだし加わっていく、主人公の動きと共に段々とこれが大きく激しくなってクライマックスを迎える。
一人の僅かな共助の精神が大きく育まれていくその過程が、演奏曲ボレロと重なり合ってくるとは見事な比喩。
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